英語をあまり使わない外資系の仕事は?日本法人の国内向け職種と日系グローバルとの違い
結論(先に3行で)
- 外資系企業の日本法人には、日本の顧客や国内の業務を担当する職種があり、英語の量が少ない求人もあります。仕事の相手が日本の顧客・取引先・行政で、日本の制度に沿って進める仕事ほど、英語より専門知識が求められます。
- ただし「英語を使わない」と書かれた求人でも、社内システム・規程・研修が英語、上司が海外、という職場はあります。入社後に英語に触れる場面を面接で確かめることが欠かせません。
- 日系グローバル企業は、社内の言葉が日本語で、海外部門だけ英語という形が多く、英語が苦手な人が社内で海外の仕事に移っていく道もあります。
この記事でやること:国内向けの職種の求人票で「英語を使う場面」を読む → 面接で確かめる6つの質問を用意する → 日系グローバル企業の求人と並べて比べる。
外資系なのに英語をあまり使わない仕事はある?
あります。外資系企業の日本法人は、日本で商品やサービスを売り、日本の法律に沿って会社を運営しています。そのため、日本の顧客・取引先・行政を相手にする仕事や、日本の制度に沿って進める仕事があります。こうした仕事では、英語より、日本の商習慣や制度の知識、国内での実務経験が重視されます。
経済産業省の「外資系企業動向調査」(第54回、2020年調査)では、日本でビジネスを行う上での阻害要因として「人件費」を挙げた企業が68.8%、日本人の人材確保の阻害要因として「給与等報酬水準の高さ」を挙げた企業が48.6%ありました。外資系企業にとって、日本の人材を採ることが課題になっていることがうかがえます。英語力より実務の力を重視して採用する求人が生まれる背景の一つと考えられます。
英語の量が少なくなりやすい職種は?
日本の顧客・制度と結びついた職種ほど、英語の量は少なくなりやすい傾向があります。
| 職種 | 英語の量が少なくなりやすい理由 | 入社後に英語が出やすい場面 |
|---|---|---|
| 国内の法人営業 | 顧客が日本企業で、商談は日本語 | 社内の数字報告、CRMの入力、本社の製品資料 |
| カスタマーサポート | 問い合わせが日本語 | マニュアル・社内ツール、海外の技術部門への質問 |
| 経理(国内決算・税務) | 日本の会計基準・税法に沿う | 本社への月次報告、監査対応 |
| 労務・給与計算 | 日本の労働法・社会保険に沿う | グローバル共通の人事システム |
| 国内物流・購買・品質 | 国内の取引先・工場が相手 | 海外工場や本社とのやり取り |
表の右の列のように、国内向けの職種でも英語に触れる場面はあります。それが「たまに読む」程度か「毎日書く」かで、求人の層が変わります。層の考え方は外資系に英語が苦手でも転職できる?で説明しています。
求人票と面接で英語の量を確かめるには?
求人票の「英語:不問」「尚可」は、選考で英語を見ないという意味で、入社後に英語を使わないという意味とは限りません。面接では、次の質問で英語の量を確かめてください。聞き方に気をつければ、評価が下がる質問ではありません。
- 「1日の仕事のうち、英語を読んだり書いたりする時間はどのくらいですか」
- 「直属の上司と、その上の上司は、日本にいる方ですか」
- 「社内のシステム・規程・研修は日本語で用意されていますか」
- 「英語の会議はありますか。ある場合、頻度と自分の役割を教えてください」
- 「評価の面談やシートは何語で行いますか」
- 「この職種から昇進すると、英語を使う場面は増えますか」
エージェントを通して応募する場合は、面接の前にエージェントに聞いてもらうこともできます。
日系グローバル企業とはどう違う?
日系グローバル企業(海外に拠点や売上が多い日本の会社)は、社内の言葉が日本語で、海外部門や海外担当の職種だけ英語を使う形が多いと考えられます。英語が苦手な人にとっては、次の違いがあります。
- 外資系の国内向け職種:英語の量は少なめでも、社内の仕組みや上司の一部が英語になることがある。
- 日系グローバルの国内部門:社内は日本語。入社後に海外部門へ社内で移る道がある会社もある。
- 日系グローバルの海外部門:英語の読み書きや会議が日常。層2〜3の求人。
年収や働き方の違いは、会社ごとの差が大きく、外資か日系かだけでは決まりません。年収の内訳の比べ方は外資系と日系の年収比較で、計算ツールの結果つきで説明しています。外資系の事業会社の働き方全体については、姉妹サイトの外資系事業会社への転職も参考になります。
英語を使わない求人だけを選んで大丈夫?
英語の量が少ない求人は、英語が苦手な人の入口として役立ちます。一方で、外資系の日本法人では、職位が上がるほど本社や地域統括への報告が増えるため、長く働くうちに英語が必要になる場面が出やすいと考えられます。入社後も英語の学習を少しずつ続けておくと、昇進や社内の異動の選択肢を狭めずにすみます。
診断の例:TOEIC未受験〜595点・会話ほぼ不可・営業・30代前半・外資希望・年収400万円台
- 英語力の帯:英語に自信なし(帯1)
- 今応募できる層:層1(英語をほぼ使わない/読む程度)。希望に近いのは層3
- 公式の対象と合う転職サービス:JAC Recruitment、リクルートダイレクトスカウト
- 英語学習の候補:egnite、PRESENCE
当サイトの英語力×職種の転職診断の結果(架空の入力例)。候補は公式に書かれた対象と入力を照らしたもので、広告報酬では選んでいません。
英語学習の進め方は転職前に英語コーチングは必要?で、転職の段階ごとに整理しています。
国内向けの職種から、英語の多い職種へどう移っていく?
英語が苦手な人が、国内向けの職種で外資系に入ったあと、英語を使う仕事へ移っていく道は、たとえば次のように考えられます。
- 入社直後:国内の業務を担当しながら、社内システム・資料の英語に慣れる。
- 1〜2年目:本社への報告や、海外の部門への問い合わせを自分で担当する。
- その後:地域の会議に参加する、海外の上司を持つ職種に応募する(社内の公募など)。
社内で英語の量が少しずつ増える環境は、学習した英語をすぐに使えるため、英語力を伸ばしやすいと考えられます。ただし、社内の異動の仕組み(公募制度の有無など)は会社によって違うので、面接で確かめてください。
求人票の「英語:尚可」はどう読む?
「尚可」は、英語ができれば評価に加えるが、必須ではないという意味で使われることが多い言葉です。英語が苦手な人でも応募できる求人と考えてよいでしょう。ただし、同じ職種の応募者の中に英語ができる人がいれば、その人が有利になることはあり得ます。
英語が「尚可」の求人に応募するときは、職種の経験と実績を前に出し、英語は「今は読み書きを学習中で、入社後も伸ばしていく」と前向きに伝えると、英語の不安を打ち消しやすくなります。
外資系の日本法人の規模は、どう確かめる?
同じ外資系でも、日本法人の規模によって、働き方や英語の量は変わりやすいと考えられます。日本法人の人数が少ない会社では、一人が担当する範囲が広く、本社とのやり取りを自分でする場面が増えがちです。人数が多い会社では、国内向けの部署が分かれていて、英語をあまり使わない職種が用意されていることもあります。応募の前に、日本法人の従業員数、日本での事業の歴史、日本法人の中にどんな部署があるかを、会社のウェブサイトや求人票、エージェントへの質問で確かめておくと、英語の量を見通しやすくなります。
日系企業から外資系の国内向け職種に移ると、何が変わる?
仕事の相手が日本の顧客でも、社内の進め方は外資系の本社の仕組みに沿うことが多いと考えられます。たとえば、目標と評価が数字で決まる、決裁の流れに本社が入る、社内のツールが世界共通、といった点です。英語の量は少なくても、こうした仕組みの違いに慣れる期間が必要です。入社前に、評価の仕組みや決裁の流れを面接で聞いておくと、入社後の戸惑いを減らせます。
まとめ:英語をあまり使わない外資系の仕事を探すには?
国内の顧客・制度と結びついた職種の求人から探し、面接で「入社後に英語に触れる場面」を具体的に確かめてください。日系グローバル企業の求人とも並べて比べると、自分に合う英語の量の仕事を選びやすくなります。エージェントを使う場合は、最初の面談で「英語は読み書き中心の求人を中心に」と伝えておくと、紹介の精度が上がります。
よくある質問
- 「英語不問」の外資系求人は、入社後も英語を使わない?
- そうとは限りません。選考で英語を見ないという意味で使われることもあります。社内システム・規程・上司の所在を面接で確かめてください。
- 英語を使わない外資系の仕事は、年収が低い?
- 英語の量だけで年収は決まりません。職種・専門性・職位で決まるので、同じ職種の日系企業の求人と、年収の内訳(基本給・賞与・退職金)まで並べて比べてください。
- 入社後に英語を求められたら、断れる?
- 仕事の内容は労働条件通知書や雇用契約書で確かめます。2024年4月からは、業務の「変更の範囲」も明示されることになりました。英語の業務が増える可能性があるかは、内定の前に確認しておくと安心です。
出典・確認したページ
- 経済産業省「第54回 外資系企業動向調査(2020年調査)」概況:2020年3月末の集計企業数2,808社、常時従業者数(回答総数)51.0万人。日本でのビジネスの阻害要因「人件費」68.8%、日本人の人材確保の阻害要因「給与等報酬水準の高さ」48.6%。給与水準の比較の数字は概況になし(2026-11-03確認)
- 経済産業省「外資系企業動向調査」トップ:最新は第54回(令和2年調査・令和元年度実績、2021年6月30日公表)。今後の外資系企業の動向は日本貿易振興機構(JETRO)のアンケート調査の公表資料を使うよう案内(2026-11-03確認)
- 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」:就業場所・業務の変更の範囲などの明示事項の追加(2026-11-02(姉妹サイトで確認))
- e-Gov法令検索「労働基準法」:第15条(労働条件の明示)、第41条(管理監督者等の労働時間等に関する規定の適用除外)(2026-11-03(e-Gov 法令APIで条文を確認))
- JAC Recruitment 公式トップ:「ハイクラスの転職エージェント」、強みに「外資系/日系グローバル企業への転職」「海外への転職」、年収500万円以上〜2,000万円以上の16区分の求人検索、「外資×在宅勤務の求人」「日系×海外勤務の求人」、「無料非公開求人の紹介を受ける」(2026-11-03確認)
- ロバート・ウォルターズ 公式トップ:Robert Walters Plc.の日本法人、外資系・日系のグローバル企業からベンチャー企業まで雇用形態を問わず紹介、18の専門分野、東京・大阪、許可番号の記載なし(2026-11-03確認)
- マイケル・ペイジ 公式トップ:Michael Page International (Japan) K.K.、外資系ハイクラス転職・外資系IT転職・国内企業(正社員)、分野(IT・マーケティング・ライフサイエンス・医療/ヘルスケア・営業・人事・法務・財務/経理・調達など)、登録無料、フッターに License Number の記載(2026-11-03確認)
この記事は 2026-11-03 時点で公的機関・各社公式ページを確認して書いています。制度・統計・各社の条件は変わることがあるため、申込み前に公式ページで最新情報を確認してください。体験談・口コミ・内定実績は掲載していません。文中の例は書き方を示すための架空の設定です。